「滴」


こちらは本編よりさらにギャグ色の強い番外編のような小話です。
テンションも割とスゴいですので読む方はそれなりのお覚悟を(笑)
それではスクロールでどうぞー。

















「え、ダレソレ!?」
「そっちこそ誰さソレ!?」
150年というブランクはとんでもなかった。
子供っぽい、元気あふれる、戦争孤児。
無口無感動無気力、引き篭もり的、ちょっと悟り入ったような。
互いにおけるテッドのへ認識は、天と地ほども差があった。

「いやだから導者のとこで引き篭もってて、俺に構うなが口癖で」
「違うよそれ! しょっちゅう僕の家に来てグレミオの手料理食べて釣りして、一生のお願いだよが口癖!」
「…それ、本当にテッドなのか?」
「そっちこそそれがテッドか!?」

共通点は、名前、茶髪、弓矢、真の紋章しかない。

ティルとリィは頭を抱えた。150年、150年という年月は、人の性格をここまで歪めるものなのか。


「…ということは今俺がケネス達に会っても俺だと気づいてもらえないわけか!」
 愕然と衝撃をこめたハァッ!という表情でリィが叫ぶと、ティルの冷静なツッコミが叩き切る。
「そもそも会えないし、その姿のままなら分かるだろう、問題はどう頑張ってもテッドの実物は居ないってことだよ。確認しようがない」
「む…、なら似顔絵を描いてみてはどうだ?」
地面に転がる小さな水晶の欠片を拾って、リィはガリガリと模様を描いていく。


「…それ、人に見えない…」
「ぬっ…!」


和解への道はまだまだ遠い。
時間切れ、とばかりに竜の鳴き声がこだました。
リィは地獄の時間の再来に、背筋を震撼させた。



***
多分ティルが描いてもおんなじ。